あと少しが、一番長かった

あと少しが、一番長かった 家で働くまで

ヘッダーもできた。

ロゴもできた。

見出しも整った。

「これで完成。」

……そう思っていました。

でも、本当の外観工事は、ここから始まったんです。

一つ直すとまた一つ気になる

ようやく思い描いていたブログらしい雰囲気になってきて、ワクワクしながら記事を読み返していました。

……すると、今度は記事の下に表示されるタグが気になります。

せっかくWebマガジンのような落ち着いた雰囲気を目指していたのに、そこだけ急にSNSのような印象に見えてしまったんです。

タグを非表示にすると、今度は関連記事。

私のブログは「関連記事」ではなく、「物語」として時系列で読んでもらいたい。

だったら前後の記事を表示した方がいい。

表示を変えると、今度は矢印のアイコンも付けたくなる。

見出しを整えれば、サイドバーの見出しも気になる。

サイドバーを整えれば、プロフィール欄が気になる。

プロフィールを書き直すと、検索ボックスやカテゴリ一覧とのバランスが気になる。

しまいにはスマホ版まで気になり始めました。

一つ直すたびに、また一つ。

この記事を書いている今でも、「ここも変えたいな」という場所は次々と思い浮かびます。

デザインには、本当に終わりがありませんでした。

 

完成の基準が分からなくなった

ネットでカスタマイズ例を見ていると、どれも素敵に見えてきます。

「あ、このデザインもいい。」

「これも取り入れたい。」

そんなふうに見ているうちに、やりたいことがどんどん増えていきました。

しかも、思いついた改善点は今すぐ形にしないと忘れてしまいそうで、気付けば記事を書く手を止めてデザインを触ってしまいます。

見出し一つでも、

「余白はこれでいいかな。」

「ラインを一本増やしたらもっと綺麗かな。」

そんなことを何度も考えていました。

完璧を目指さないと決めたけれど、それは「気になるところを放置する」という意味ではありません。

だからこそ難しかった。

どこまでやれば完成なのか。

何をやめればいいのか。

正解がなく、終わりもない。

それがデザインというものなんだと、このとき初めて知りました。

 

それでも80点ルールは守った

本当は、気の済むまで作り込みたかった。

メモしていた改善点を、一つ残らず直したかった。

でも、そのたびに思い出していたことがあります。

「またデザインだけで満足して終わるじゃないか。」

以前の私は、それでブログを続けられませんでした。

だから今回は違います。

主役はデザインではなく、記事。

このブログは読んでもらうための場所です。

そう自分に言い聞かせながら、80点のところで手を止めました。

改善点はたくさんある。

でも全部を今やる必要はない。

優先順位の高いものだけ直して、残りは記事を書きながら少しずつ手を加えていく。

このルールを守れたからこそ、このブログは今も更新を続けられているんだと思います。

 

このブログは住みながら直す家

以前、このブログを「心の家」のような存在だと書いたことがあります。

そのことを思い出したとき、ふと本当の家に置き換えて考えてみました。

このブログは、新築ではありません。

昔の自分が使っていたドメインを引き継いだ、少しだけ歴史のある家です。

だから、前の住人の名残も少し残っています。

そこへ今の私が住み始めた。

「ここに棚があったら便利そう。」

「収納はもう少し増やしたい。」

そんなことは思うけれど、だからといって今日すぐ大規模なリフォームを始めるわけではありません。

住みながら、本当に必要な場所から少しずつ手を加えていくはずです。

ブログも同じでした。

全部を一気に完成させる必要なんてない。

暮らしながら整えていけばいい。

私は、このブログもそんなふうに育てていきたいと思いました。

 

あともう少し、は無駄ではなかった

継続を一番の目標に決めたはずなのに、何度もデザインへ引っ張られそうになりました。

それでも、その葛藤は決して無駄ではありませんでした。

80点で止める感覚。

今やるべきことを選ぶ力。

どちらも、この外観工事を繰り返したから身に付いたものです。

そして驚いたことに、その考え方はブログだけでは終わりませんでした。

家事にも優先順位を付けられるようになったんです。

以前は家事を全て片付けて、さらに子どもの生活リズムに合わせた一日が流れていました。

でも今は、

「窓拭きはしたいけど、今日じゃなくてもいい。」

そんなふうに考えられるようになりました。

全部を完璧に終わらせようとしなくてもいい。

子どもが寝ている時間に集中してブログを書けるよう、家事の流れも少しずつ変えていきました。

ブログを続けるために始めた80点ルールは、気付けば私の暮らし方まで少し変えてくれていたんです。

 

気付けば、「外観工事」は何度も終わって、何度も始まりました。

でも今なら分かります。

完成させることが目的じゃなかった。

そのときの自分に必要な場所へ、少しずつ育てていくこと。

それが、このブログらしい作り方だったんだと思います。

そして、この頃から私は少しずつ、数字も気になり始めます。

「誰かが読んでくれている。」

その小さな変化が、また次の一歩につながっていくのでした。

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